瞑想で素にもどる至福のとき
最近、マインドフル瞑想が気になって、毎朝、瞑想の時間を取って瞑想しています。
数日前に気づいたのは、「からっぽ」の時間が最高の幸せかもしれない。ということでした。
私が、ヴァシランドを手掛かりに文章を書き始めたきっかけは、マインドフルネスな暮らしに関心を持ったからです。ヴァシランドもマインドフルネスも、私に具体的な形やイメージがあるわけではなく、ないからこそ、新たなイメージを想像し暮らしを創造する源泉になるのではないかと思っています。マインドルネスは、「今・ここ・私」への意識を一語で表現できそうな印象を持ったので、「今・ここ・私」への意識が抽象的になり、もう少し、広く、深く考えるのによさそうだと思いました。
マインドフルネスについては、トランジションタウンの活動や、環境関連のイベントでワークショップやセミナーに参加したときに、「メディテーション=マインドフルネス」というような感じで「マインドフルネス」という言葉が使われていて、「あれっ?」「マインドフルネスって何?」と思ったことが、興味を持ったはじまりでした。
そして、ネット検索したり、書籍を読み、「マインドフルネス瞑想」という瞑想法があることを知りました。仏教由来の瞑想法ですが、宗教色を警戒する人が多いということで、仏教とは直接関係のない瞑想法とされています。説明を読むと、お釈迦様の教えのような話がでてくるので、仏教的であることには違いありません。ただ、脳科学の発展、特に検査機器や産業技術の発展により、瞑想中の脳内の血流や脳内物質の状態を計測できるようになり、また、マインドフルネス瞑想を実施した場合とそうでない場合の行動変化の調査から、瞑想が精神の健康を保つのに役立つと評価されるようになりました。そのため、宗教的な意味付けをしなくても、瞑想の効果を説明できるようになりつつあります。
逆に、今日においては、過去に瞑想と呼ばれていたことからマインドフルネス瞑想を引いて、残った部分について、マインドフルネス瞑想とは別の要素としと認識されるようになりました。その一つにビジュアライゼーションがあります。
ビジュアライゼーションは引き寄せの法則の一種です。逆の見方から説明すると「イメージできないことは実現できない」ということです。つまりビジュアライゼーションは、現に実現できていないことであっても「将来、このようなことが現実化する」ということをイメージすることで、今の状態を将来の願望に近づけていくという考え方です。それを、瞑想の様に少し時間をかけて、繰り返すとそのイメージが徐々に鮮明になり、その意識が行動に変化をもたらすという考え方です。意識が将来を引き寄せるという解釈は「引き寄せの法則」ともいわれます。
私が読んだ瞑想以外の本でも、引き寄せの法則がよく出てきます。ビジネスのハウツー本でよく見かけ、「自分が高級車に乗ってドライブする姿を思い浮かべてみましょう」といったことが書いてあります。
そこで、私も試しにこのビジュアライゼーションの瞑想で「リッチな暮らし」を一生懸命想像してみたのですが、回数を重ねる毎にイメージが具体的で鮮明なものにはならず、どうしたもんかなぁと思っていました。
その日に、ビジュアライゼーションの瞑想をやってみて気付いたのは、「ひょっとすると、それを強く望んでいないのかもしれない」、「むしろ、ぼけっと、のんびり過ごすのが私にとって至極の幸せ」かもしれないということでした。
人は、どんな人でも「物語を生きている」と言われます。物語の文脈のようなものを思い浮かべながら、その中に自分自身を登場させ、文脈に沿った役割を果たすことで人生の意味のようなものが形成されるという考え方です。
昔話、童謡、流行歌、小説、偉人伝、映画、芝居、TV番組、漫画、アニメ、RPゲーム、SNSなど多彩なメディアによって様々な物語の情報に私達は接しています。それらの情報から意識的、無意識的に影響を受けて、自分の人生の物語を編んでいます。逆に、それらの情報を遮断すれば「何しようか」という状態になります。それは、素の自分に戻ることです。そこから、自己肯定感を高め、夢を実現するというのがビジュアライゼーションです。
しかし、このビジュアライゼーションもまた一つの物語です。ですから、瞑想中に頭に浮かぶ雑念と基本的には変わりないものです。瞑想は情報を遮断するような効果があります。頭の中が「からっぽ」になるような感覚です。ビジュアライゼーションで見た夢もまた、脇におくことで、「からっぽ」の時間が生まれます。そのときに感じる素の自分を受け入れることが至福なのかもしれません。
【参考図書】
・「頭を『からっぽ』にするレッスン」
アンディ・ブディコム著 辰巳出版 2020/9/25(「からっぽ!10分間瞑想で忙しいココロを楽にする」2011から改題)
・「人生の扉を開く最強のマジック」
ジェームズ・ドゥティ著 プレジデント社 2016/11/19
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